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【プレス】文化ファッション大学院大学 3Dスキルの教育開始

アパレル工業新聞 - 2019年10月1日 掲載
業界での広がりを見据え

 アパレル業界で3Dシミュレーションシステムが導入され始めたが、まだ活用が本格化したとは言えない。その要因の一つに使いこなせる人材が少ないことがある。そうしたなか、文化ファッション大学院大学(BFGU)はユカアンドアルファの3D着装シミュレーションシステム「CLOエンタープライス」を八台導入、今年度から教育をスタートした。今後普及が進むと判断し、いち早く3Dスキルを持ったデザイナー、パタンナーの育成を目指すことにした。

 BFGUでは、全コースの一年生を対象とした「ファッションビジネスメソッド」という必修科目の演習がある。ファッションデザイン、ファッションテクノロジー、ファッション経営管理の三コースの学生がランダムで選ばれたメンバーでチームを結成、それぞれビジネスプランを作り、九月に長野県飯山市にある文化北竜館に出かけ、二泊三日で最終プレゼンテーションを行った。今回八チームすべてに課せられたのが、デザインを検討した3Dシミュレーションの画像を製作したトワルを使って発表することだった。ファッションクリエイション専攻長の吉田康成教授は「チームによって差はあったが、みんな3Dのプレゼンができた」と話す。

 3Dシミュレーションはサンプル作成の時間とコストを削減できるというメリットがあり、吉田教授は「これから使う企業がどんどん増えてくるのは確実」と見る。「パタンナーとして従来のような仕事のやり方だけではなく、新しいツールを使って時間を掛けずに、よりよいモノを作るという指導をする必要がある。デザイナーもグローバルに活躍するにはこういうツールは役立つ」。ファッションテクノロジーコースの加藤登志子教授は、開始した3D教育の狙いをこう語る。

 デザイン、テクノロジーの両コースの一年生はファッションビジネスメソッドに向けて春から九十分の3D授業を六回受講。CADでパターンメーキングを行い、そのデータに縫合条件を付け、3Dシミュレーションで着せつけてチェック、修正があればCADでパターンを修正、再び3Dで確認するという内容だった。またテクノロジーコースの二年生はアパレルCADの授業に3Dが約三分の二を占めた。ディテールの作り込みも上手くなり、複雑なデザインもこなせるようになって、自分の作品作りに利用している学生も多いという。使用するシステムとしてCLOエンタープライスを選んだのは、「学生に使わせるのに視覚的に分かりやすく、成果が出やすいから。こういうシステムは使って楽しくないと」と加藤教授は理由を挙げる。正確に縫い付けできなければ見た目ですぐ分かり、間違いに気が付きやすい利点もある。一方、学生は凝ったデザインをする。それらも3Dでシミュレーションするには、指導する側も3Dスキルを高めていくことが課題になる。

 吉田教授は「モノ作り全体のプラットフォームが3Dを使うことによってどんどん進化していく可能性があり、BFGUとしては3Dの教育はこれから必要不可欠。いろいろなアパレルが3Dを導入したいと考えているが、まだまだ技術者がいない。BFGUから技術者を輩出していきたい」と力を込める。

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